エミール・ガボリオ著 『ルルージュ事件』
郊外の一軒家で、とある未亡人が殺害された。
しかし夫人の素性は謎ばかりで、事件は謎につつまれる。
事件の真相を追う検事と素人探偵だが、そのうち事態は伯爵家の嬰児取替えから相続問題へ、彼ら自身にも関わる意外な方向へとすすんでいく。
* * *
すげえご都合主義の極みだぜ。
探偵が我が子のように可愛がっていた弁護士の母親が未亡人と知り合いだわ、検事が惚れていた女性の婚約者が伯爵家の跡取りで、重要な容疑者だわ……
いやぁ、すげぇすげぇ(笑)。
本編より、そういった過去の事情の方に力と頁がさかれてるもんで、ヒトひとり死んでんの、思わずつるっと忘れてしまいます。
牧歌的なミステリです。
ミステリっつーかゴチックロマンスでも読んでるカンジ。
『嵐が丘』でも読んでるみてぇ(←そ~か?)
こーゆーの、なんか欧州のミステリだなぁと感じてしまいますね。
やりたい放題ですわ、お客さん。
きっと作者、ノリノリで書いたんだろうなぁ。
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評価:★★★☆☆
でもま、まぁまぁおもしろかったよ。
何でも世界で最初のミステリで、ドイルたちにも影響を与えたらしい。
しかしまぁ、ミステリなんて100年、たいして進歩してないんだなぁって思ったよ。
……いや、ホント(←やらしい笑い)。