枢機に溺るることなかれ | 逍遥録 -衒学城奇譚-

枢機に溺るることなかれ

内閣不信任案が否決された。

当然のことだろう。

まずは一安心だ。

それにしても、この1ヶ月ほどの本来国政についやされるはずだった時間と労力が、野放図に浪費されたことを考えると、つくづく愚劣なものであったと、あきれ返るほかはない。

もっとも菅総理は辞意を表明したうえでの続投だ。


今回の騒動で、誰も彼も国民無視で自分勝手な行動をとってきた。

一体何をみて、彼らは不信任案に賛成だの反対だの、そらぞらしく騒いでいたのだろうか。

今何をしなければならないのかも理解できず、万が一にも菅内閣が復興で手柄をたてることを畏れて、政権へカムバックしたい執念だけで、その後のビジョンもないくせに不信任案を提出した自公野党(え~と、何かもういっちょあったっけ?)。

自分たちはこの3ヶ月与党の中にいながら、ロクすっぽ協力もせず、選挙目当てそれに乗っかって、賛同する与党議員。

メディアはここ3ヶ月、菅内閣を無能呼ばわりして引きずり降ろそうとしたくせに、いざ不信任案が出そうになったら、アリバイづくりのために、あわてて提出を批判する。


どいつもこいつも右往左往。


とにかく引きずり降ろせばいいと、アホみたいにわめく奴。

不信任案出した自分たちが主役になれるとるんるんのはずが、いつの間にか他の奴らの去就の方へ関心もってかれちゃって、もう自分たちは主流じゃないんだなぁとわびをかみしめたり。

不信任案、提出したはいいが、その後ぽか~んと口あけて、成果がふってくるのを待っていた奴ら。

続投するって云ってたくせに、ギリギリで辞意を表明しちゃったりして。

賛成するって云ってた奴が、やっぱ反対するし。

そんでもって、他の連中には反対するように云っちゃうし。

来ない奴もいるし。

賛成したはいいが、何がどうなってのかも理解できてない奴がいる。

相手の自壊だよりで、結局赤っパジかいただけの奴ら。

攻めどころを失って、もはやイヤミしか出なかったり。


うん、よい人間ドラマだ、笑えるヨ。

結局だれもかれもが、政局の内側にいることに酔いしれているだけじゃん。


最期に。

この騒動の中、皮肉なことだけど、何もかもムチャクチャになるところを、菅直人ただひとりが自腹を切った。

そのことを、素直に評価したいと思う。

そもそも、震災に対応にしても、ベスト最速ではないにしろ、彼はやれるだけのコトはやっている。

それを見ようとせず、「何もやっていない」などと具体例もあげずにののしるだけの連中(ホンキで病院行けと思う)が多すぎた。

今でも菅総理がやめる必要はないと思っているが、本人がメドをたててやめたいと云うのであれば、今度こそ与野党の関係なく、まわりがしっかりと補佐すべきだ。

それが、今回のくだらない騒動に関与したすべての者たちの、責任のとりかただと思う。