中国依存症からの脱却 | 逍遥録 -衒学城奇譚-

中国依存症からの脱却

尖閣諸島の漁船衝突事件についての政府の対応は、実にまったく失望している……などと書いたら、どっかのアホウどもとひとくくりにされてしまいそうで、どうにもイヤなのだが、それでもやはりガッカリである。

船長の釈放については、経済制裁や邦人が実質人質となっている状況下で、ある意味やむをえないって理性的には考える部分もあるが、感情的な部分ではムカつく。

もはや中国の大国意識は、歯止めがきかないレベルにまできているようだ。

基本的に親中(社会主義国家と化す以前の)であるが、やはりこーゆーコトは納得いかない。

ボクのような人間すら呆れさせてどうする、中国や。

おそらく多くの日本人にとって、これからまた仲良くやっていこうって感情にはなれないだろう。

すんげぇ譲歩して、釈放まではよいにしても、謝罪と賠償を……などと云い出すとは、もはや何を考えているのかわからない。

一歩も引くな、キッパリとはねつけてもらいたいと思う。

ボクらには護るべき一線がある。


さて罵倒するだけは簡単だが、モノゴトはそんなに単純ではない。

経済制裁により日本が折れざるをえない事情が、その背後には当然ある。

現在の日本における、中国への依存の大きさだ。

食料から加工品、電化製品まで、日本人が接しているモノで、中国とは無関係なモノなど、ほとんどないだろう。

ためしに、コドモのオモチャをひっくり返してみるとよい。

おそらく「made in china」と刻まれているはずだ。

100円ショップ、外食産業、ケータイ、パソコン、それこそ日本のあらゆるモノは中国に依存しているのだ。

完全に中国依存症だよ。

そんな中で、今日本というクニが、経済を武器とした中国の攻撃を受け止めきれるワケがない。

日本はとっくに、中国に首ねっこをつかまれてしまっているのだ。

おそらくほとんどの日本人は、ソレを肌で感じていたはずだ。


だけど日本人は、ソレに向き合おうとはしてこなかったのではないか?

今回の件でも、経済制裁を受けながらも、夜郎自大かつ傲慢な発言が日本のネット利用者には多かった。

それも自信満々に。

なぜだ?

答えは簡単だ。

日本人の多くは、いまだ中国を後進国というかつての印象を引きずり、そんなクニに優秀な先進国である日本が敗けるはずはないと信じたがっているからだ。

もしくは、民主党の失点を期待していたのだろう。

これまで、たとえば米軍人による事件や事故がおきても、今回のような騒動にはならなかったと思う。

怒りを表したら、むしろ「サヨク」だの「プロ市民」だのとレッテルを貼られ、しまいには「日本のために米軍は必要だ」などと、正当化しようとする感覚が大勢だったろう。

それは欧米人は戦勝国であり、彼らは自分たちより優秀なのだという、卑屈な敗け犬根性からきているのだと思う。

その半面、アジア人に対する差別意識も、はっきりと存在する。

自分たちはアジアで一番なのだ。

中国が自分たちより優れているはずはない。

ネット内での中国や韓国への異様な憎悪も、ソコからきているのだと思う。

つまり差別だ。

ホンネでは見下していたのだ。


だけど今回の件で、はっきりとわかったはずだ。

見下していたヤツらの方が、実は強かった。

今の日本は、経済力で中国に太刀打ちできないのだ。

その経済力が、様々な矛盾をはらんで危うい暴走ぎみなものだとしても、それが現実だ。

ゆえに外交で勝てるワケがない。

その状況の中で政権を罵倒したって、どうしようもないだろう。

(ココで、中国依存度を大きくしたのは誰か、などと腹立たしく思ってもしかたないが……)


さて、問題はこれからだ。

今のように中国依存度が大きいままでは、また同じコトがおきる。

民主党が下野して再び自公政権となっても、状況が変わらなければ同じだ。

いや、むしろ北朝鮮の金ナントカの件や小泉時代の件というか実績をみても、むしろはるかに媚中外交をおこなう恐れすらある(野党に、今回の件を非難する資格、あんのかねぇ?)。

中国との関係は、簡単に断絶するワケにはいかない。

専門家が語るように、その依存度を下げていき、リスクの分担をおこなう必要はあるだろう。

ヤバければ、いつでも切り離せる距離感を持つコトが肝心だと思う。

だがこれは、政府や財界などの大きな力がやるコトであって、庶民ができるレベルではない。


ならばボクらはどーする?

いつもバカにしてる政治家や官僚に、任せておけばよいのか?


ひとつ、提案がある。

ココらで自分たちの生活を見直し、中国への依存度を下げるコト、それも自分の周りでの依存度を下げるコトを考えてみてはどうだ?

たとえば……

中国産の食料品を買わない。

ケータイやパソコンを安易に買い換えない。

家電製品も買い換えない(家電芸人などもってのほか)。

外食をひかえる。

その他、中国産の製品は極力購入しない。

後は中国へ旅行しない。

などなど……

要するに、中国製品ボイコットだ。


パソコンの前でどんなに勇ましく叫んでも、何も変わらない。

ネットの中で気持ちよく中国や政権を叩いても、どんなにご大層なコトを云っても、さてコンビニで弁当でも買ってきて喰うか……では、結局意味がない。

そーゆーコトだよ。

矛盾してんだよ。

そもそもアホみたいにケータイを買い換えたりするコトが、日本でのケータイ産業を突出させ、結果的に依存度を高めてしまった面もあるのだろう?

購入する者がいるから、売る者がいる。

ほしがる者がいるから、売る者が強い。

ボクなんかに云わせると、ある意味自業自得だよ。

安きに走った自分たちも迂闊。

首ねっこつかまれるのも、当たり前。

要するに、金ならいくらでもはらう薬物中毒のようになってはいけないってコト。


ボクは自分が口にするモノは、極力国内産のモノを買う。

家電製品も少ないし、買い替えもほとんどしない。

ケータイは持っていない。

外食も、できるだけきちんとしたトコロへ行く。

そりゃ完璧ってワケにはいかないが、自分は中国依存度は、かなり低いと思う。

それでも何とか暮らしていける。

オモチャと化したケータイなど、不要だ。

食料など、購入できる分でやりくりすればよいのだ。

極貧の学生時代だってそうやってきたのだから、大概の人間には可能だ。

やれば何とかなる。

まずはできるトコロからだ。


もちろんこれらに関わった産業も国内にあり、安易にそのようなコトを口にするべきではないのはわかる。

ものすごい矛盾をはらんでもいるし、立場上できない人も多いだろう。

感情的な報復になってもダメだ

ガマンが必要だし、非常に不快な気分にはなる。

だけど残念だが、今の中国はそれぐらいしなければわからないほどに、自意識が肥大化しているようだ。

乱暴かもしれないが、これも抗議手段だし、意思表示だ。

今のような身動きがとれない中国依存症からは、脱却をするべきだ。

それぐらいの意識と決意を持つべきだろう。

少なくとも、ネット上での実りのない遠吠えよりは、はるかにマシだ。