アントニイ・バークリー著 『毒入りチョコレート事件』
場所はロンドン、時は20世紀はじめか?
犯罪に造形の深いインテリどもで結成された「犯罪研究会」に、奇妙な事件が舞いこんできた。
クラブに配達された新製品のチョコレートを食べた男爵夫人が死亡した。
チョコレートの中に毒がしこまれていたのだ。
当初は単純に解決すると思われたこの事件だが、捜査は暗礁に乗り上げる。
「犯罪研究会」のメンツは、順番にそれぞれの推理を披露することとなりますが、その披露会はやがて意外な方向へ……
* * *
各自の推理が、披露された時はいかにも正解のように思えますが、すぐ次の人物の推理により破綻してしまう……
研究会のメムバも、それぞれ腹にふくむトコロがあって、まぁちょっとあんよの引っ張り合いなんかもありまして、なかなか衒学的、隠遁者風な推理合戦ができません。
ハナシとしては、まぁおもしろいかなぁと思うのですが、いかんせん古臭いし、ご都合主義に頼り切って、ムリがありすぎる。
特に最期のどんでん返しというか、放りっぱなしのラストなんかは、ホント、「コレからどーすんの?」って云いたい。
まぁ、こーゆーツッコミたくなるようなラスト、嫌いではないけどさ。
チェスタートンとかオルツィとか、結構こんな雰囲気でさ、もうあきらかに時代遅れ(云うなよ、ソレ)。
古典として読むならよいが……
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評価:★★★☆☆
いや~それでもわりかし好きなんだよな、こんなカンジ。
カーとかのばりばりの古典まではいかないが、浅漬けの古典って印象でさ(何じゃソリャ?)