侍戦隊シンケンジャー
日曜の朝を、華麗かつ歳がいもなくいろどる戦隊モノの話題を……などと考え、及川奈央主演……(確かそうだったような……)『炎神戦隊ゴーオンジャー』の後番組『侍戦隊シンケンジャー』のコトでも書こうと思っていたら、いつの間にか一年経過してしまって、すでに先週、最終回だった。
コレはイカンと反省し、感想など書こうと考えているうちに、一週間がすぎてしまい、明日にはもう新番組がはじまる勢いなのである。
……なぜ流れに乗れない、自分……とゆー根源的な問題はとりあえずコッチ置いといて、とりあえずシンケンジャーのおハナシ。
* * *
人間の世界を脅かしてきた外道衆と、文字の力“モヂカラ”を使って、代々闘いつづけてきた志葉家。
その18代目当主丈瑠(タケル)の下に集った4人の侍&鮨屋(ヲイ!)。
刀と折神と呼ばれるロボットを合体させて、外道衆と闘う。
……のですが、まぁとにかく、途中経過はスッ飛ばして最終回付近のハナシをしますと……
当初は「外道衆を倒すのは自分ひとりで充分!」などと強がっていた(ムッツリ根暗ツンデレ体質)レッド丈瑠が、(忠義一辺倒生まじめ、ヘタすりゃ空回り)ブルー流ノ介、(姐さん体質保護者気質)ピンク茉子、(サムライなんて今さらなんだよ的現代っ子)グリーン千明、(ウチ、直球しか投げれません)イエローことは、(幼なじみ丈瑠への想い(邪推禁)でなぜ変身できる?おちゃらけ)ゴールド源太、そして(頑固一徹、殿様萌え)家老彦馬たちを従えての闘いの中、少しずつ心を通わせるようになってきたのですが……
ある日突然、志葉家の本当の当主を名乗る姫が登場します。
実は丈瑠は、外道衆との闘いで疲弊した先代志葉家により、未来に可能性をたくすために落ち延びさせた当主の子の影武者として育てられたのです(モヂカラは血筋なのか?しかし丈瑠や源太は……?)
そう云えば、回想シィンに確かに矛盾があったよな。
今まで仕えてきた丈瑠の大きなウソと責任感とに、板ばさみとなるものの気丈な薫姫とともに闘うサムライたち。
そして彼らをだましてきたコトに引け目を感じつづけて、正体がバレた今、静かに戦線から退いた丈瑠。
自分は空っぽだ……と虚ろな丈瑠の前に現れ、闘いを挑む宿敵十臓。
十臓との闘いに駆けつけた仲間たちとの間に絆を再確認した丈瑠ですが、薫姫は敵の首領のドウコクとの闘いに破れてしまいます。
切り札を失った薫姫は丈瑠を自分の養子とし(丈瑠、歳上)、志葉家の“19代目”当主となった丈瑠は、多くの者たちの想いを背負い“封印の文字”を手にして再び戦場に立つのです。
人の世を護りきれるのか、シンケンジャー!?
* * *
はい、やはりすでに最終回をむかえたあらすじを書くのは、いささかムリがありますね。
護りきれるのかも何も、もう護られてるワケですし。
ですがまぁ、感想としては、数ある戦隊モノの中で、ここ数年ではおそらく最高傑作ではないだろうかと思います。
敵役の真剣度がまるで感じられなかった前作(ただしケガレシア様をはじめ、のけぞりたくなるほどくだらない敵には脱帽)にくらべると、今作の敵はシンプルですごみがあり、闘いに緊迫感がありました。
ドウコク、めっちゃ強ぇし。
サムライたちもレッド殿とその他家来5名との間に厳格な上下関係があり、これまでにない演出。
彼らは代々志葉家に従って闘いつづけてきましたが、丈瑠の代になり再び召集されたワケ(源太は押しかけ)。
だからみんなそれぞれの生活があり、流ノ介は歌舞伎役者、茉子は保母になる夢をすてて駆けつけた(そんでもって志葉家で黒子に囲まれた集団生活。わははは)。
本当の当主として隠れてモヂカラをみがいてきた薫にも、葛藤があったワケですし、敵役の外道衆にもそれぞれドラマがきちんとあってソレが消化されている。
当初はぎこちなかった彼ら主従も、殿と家臣との垣根をこえて徐々に絆を深めサムライとして成長していき、ついに外道衆を倒すワケです。
そしてラスト、闘いの終わった彼らは筆頭格の流ノ介が別れの舞を披露する中、ひとり、またひとりと別れの言葉を丈瑠にかけて志葉家を去っていくのです。
敵を倒してハイ終わり、めでたくずっと仲良く楽しく暮らしました……ではないのだ。
当然別離が待っている。
涙なしには観られません。
う~ん、名場面。
んでもって見所は……
つ~か1年分だし、今さらではあるが、キャストがよいのですよね。
静的気質の珍しいレッドの難役をこなした松坂君をはじめ、それぞれの役柄に合ってますよ。
特に流ノ介役の相葉君(知り合いのママが激プッシュしてた)や、家老彦馬役の伊吹吾郎さん(!)、十臓役の唐橋さん(実に艶かしい外道に堕ちた剣士役だった……)は実にうまかった。
また、ことは役の現役アイドル森田涼花さん(コレに「す~ちゃんは腹筋が割れている」とか加えておくと、検索からの訪問が増えるらしい?)、や千明役の鈴木君、茉子役の高梨さん、源太役の相馬君、それにほんの一時ですが、歴代戦隊モノで初の女性レッド役をこなした薫役の夏居さん(14歳!?)は、これからの活躍が楽しみです。
(今回の記事、いつになくオタクくさくなってるのはなぜ……?)
サムライがモティイフなワケで、これまでにない“和”の意匠がとりいれられ、特に笑えるのがマスク。
この戦隊、顔が漢字になってまして、レッドが「火」、ブルーが「水」、ピンクが「天」、グリーンが「木」、イエローが「土」と、初めて観た者にビミョー感を与えておりますが、何となく『忍者キャプター』とカブるように感じるのは、ボクだけでしょうか?
しかし侮るなかれ、小十郎はこの番組でこの漢字を書けるようになったのですから(平仮名もまだのくせ……)。
何にせよ、近年まれにみる傑作ではなかったろうかと思います。
かっちょえかった。
同時期の『仮面ライダーディケィド』が内容のスケェルの壮大さに、キャストや脚本がついていけなかったり、『仮面ライダーW』がオトコふたりの“合体”による変身と、まるで“ツッこんで”くれ!(イロイロな意味で)と云わんばかりの設定であるコトからも、非常に安定した内容だったのでは……と思いつつ、今夜はココまで。
……でもって明日は早朝から『天装戦隊ゴセイジャー』です、あ~ヤレヤレ……